御殿まりを日常に~アンティーク着物と合わせるには~
前の記事で女子高生の制服着こなし今昔比較をしたのですが、10数年前に比べて今のスタイルの方が飾ったり、加工したりする部分が少なくなっていることに気づきました。
過去記事にあげた、御殿まりを活用したバッグチャームも、今の女子高生には付ける場所がないかもしれません。
それはよい悪いという価値判断の問題ではなく、時代の流行という問題です。
時代の流行を一番反映しているのが女子高生のリアルですから。
「シンプル&クリーン」が今の時代のトレンドだとしたら、御殿まりをもっと若い人に受け入れてもらいたい、そんな商品を作りたい! という思いだけでは、きっと売り上げが見込めるものは作れないでしょう。
御殿まりは「シンプル&クリーン」なイメージとは真逆のものだからです。
やはりもっと具体的に、御殿まりを好きになってくれそうな個人に向けて制作したほうがよいのだと思います。
御殿まりのイメージとして、「手作り・日本的・伝統」があると思います。
だから趣味として着物を着る人たちには、御殿まりはきっと求められるのではないでしょうか?
今まで振袖や七五三など、特別なときにだけ着る着物でしか御殿まりとの組み合わせを考えてみませんでしたが、今回はもっとお出かけレベルで着られるような着物との組み合わせを考えてみたいと思います。
たとえば、こういうアンティーク着物に合わせるとしたら、こういう御殿まりのアレンジはどうでしょう?
これはピアスじゃなくてカチューシャです。
もちろんピアスでもいいんですが、ピアスを開けていない人もいますし、こういう大振りのピアスは重くて痛いという人もいます。
イヤリングにすると、チェーン付きの大振りのパーツは、遠心力でどこかに吹っ飛んで行きやすいリスクがあります。
こういうカチューシャにすれば、多くの人が楽しめるのではないでしょうか?
御殿まりはカワイイ系だけじゃなく、こういう粋な着物にも合いますね。
こういう着物を若い人が着てもいいですが、50代くらいの人が着ても素敵です。
御殿まり×ベレー帽。
ハットピンに加工して、ベレー帽に挿してみました。
学生っぽいスタイルなので、下は袴にしても可愛いと思います。
若い人の全体的な流行としては「シンプル&クリーン」ですが、ハロウィンの盛り上がりに見られるように、コスプレが遊びのひとつとして定着しています。
こんなふうにちょっとコスプレっぽく着ると、若い人にも受け入れられやすいんじゃないかと思います。
御殿まり×つまみ細工。
とても長くきれいな髪を持っている人だったら、一度はこんなラプンツェルヘアにしてみたいですよね。
御殿まりだけ付けても可愛いとは思いますが、変化やリズム感を出したいのと、やっぱりラプンツェルヘアにはお花を付けたいよね! という思いがあって、つまみ細工のお花を組み合わせました。
くるりんぱやねじり結びをして編み下ろし風にした長い髪に、小さなUピンをつけた御殿まりとつまみ細工のお花をランダムに付けます。
可愛いアンティーク着物にも似合いますが、成人式の振袖にも合う華やかなスタイルです。
こんな風にパッと目立つところに御殿まりを付けると、「着物もいいけどそのヘアスタイルも素敵」「その髪飾り可愛いね」など、周りも褒めやすいですよね。
そんなときに写真を撮って、インスタにあげたりSNSにあげたりしてもらえれば、あっという間に着物が好きな人たちの間に御殿まりが広まると思います。