御殿まりトリビア
一人で本荘御殿まりを作れるようになりたくて、現在教室に通っています。
最初は体験教室に参加して、その後公民館で行われている通年の教室に通うようになりました。
以前わたしは、本で読んだ知識と、とりあえず買ってきた材料だけでこんなものを作っていました。
いやあ、ひどい。
とくに下の方のヤツはひどい。
これを作ったときはリリアン糸のほどき方も知らず、買ってきたそのままの糸でかがろうとしていたのでした。
今は通年の教室を3回経験しまして、ごん太リリアン糸でかがってしまった球はこのようになっています!
じゃーーーん!!
完成してはいませんが、かなりまともな御殿まりになることができました。
グレーの糸だけでは巻きが足りなかったので金色の糸を上から巻き、八分割ではなくて十六分割に割り直しました。
もちろんリリアン糸もほどいてぴんと張り直したモノを使用しています。
やっぱり一人で御殿まりを作ろうとするのは無理がありました。
今では教室に行って、先生に習ってよかったなあと思っています。
今日は教室に行って初めて知った、御殿まりトリビアをいくつかご紹介したいと思います。
これは本当に知りませんでした。
買ってきたヤツをそのまま使えばいいんだろうとしか思っていませんでしたから。
絹糸や刺繍糸を使う場合は、もちろんほどいて巻きなおす必要はありません。
しかしリリアン糸を使用する場合は、いったんリリアン糸をほどいてから、お湯を入れて膨張したペットボトルなど巻き付けて伸ばし、その後板状のものに巻き付けて使いやすくします。
このリリアン糸のほどき方は、実際にやってみないことにはたぶん分からないと思います。
リリアン糸の端っこから3本抜き出して手に持ち、爪を使ってしごくように糸をほどきます。
力を入れすぎるとすぐに切れてしまうので、慣れと根気が必要な作業です。
御殿まりトリビア② 地割は紙テープを使うと簡単
リリアン糸や絹糸で模様をかがる前の作業に、「地割」という作業があります。
手まりを何分割にするか決めて、どんな模様にするかを決定する大事な作業です。
わたしは本で読んだ通り、円周÷地割の数を計算して、その数字をメジャーで計ってマチ針をうっていました。
こういう作業のことです。
しかしメジャーで計るとどうしてもメジャーの厚みで数値がズレてしまい、正しい位置にマチ針をうつことができませんでした。
先生にお見せすると、北極と南極以外のマチ針をすべて取り、紙テープを使ってあっという間に十六等分の正しい位置にマチ針をうってしまいました。
要するに地割は数値が正しいことが重要なのではなく、「等分に割ること」が重要なので、円周と同じ長さに切った紙テープを、3回折って球にあてれば済む話なのでした。
実際に手まりを作ったことがない人には何のこっちゃ? といった情報かもしれませんが、わたしはまさに目からウロコとはこういうことか! と思うくらいびっくりしました。
御殿まりトリビア③ 御殿まりは和裁ではなく洋裁
これは本当にびっくりしました!
見た目から思い切り和のモノなのだろうと思い込んでいましたが、実は御殿まりは和裁ではなく洋裁の分野に入ります。
それはわたしが持ってきたマチ針を先生にお見せしたときに判明したのでした。
「御殿まりは洋裁だおの。このマチ針なば和裁のマチ針だがら使われねで。」
※先生も生徒も全員こんな感じの秋田弁です。
わたしが持ってきたマチ針はこんな感じのものでした。
平たいお花の飾りがついたヤツです。
ちなみに小学生のときからずっと使っています。
しかしマチ針に洋裁用とか和裁用とかあるとは、ちっとも知りませんでした。
御殿まりなどの洋裁に使うマチ針はどんなものなのかというと、こういう丸っこい飾りのついたものだそうです。
マチ針にも和裁と洋裁がある……!
教室に行くたびに言われるのですが、「御殿まりの針の運び方は左から右」で、逆はあり得ないそうです。
だから何? と思わないでいただきたい。
そこも御殿まりは和裁ではなく洋裁といえる点の一つなのです。
日本の伝統的な進行方向は、右から左です。
国語の教科書は、右から左に書いてありますよね?
反対に、英語の教科書は左から右に書いてあります。
見た目からは完全に和のモノだと思い込んで疑いもしませんでしたが、御殿まりは使う道具も、針の運び方も、全て洋モノなのでした。
こんな感じに、御殿まりの模様は左から右へと出来上がっていきます。
本当に、「知りませんでしたァーー!!」と叫びたくなるようなことがたくさんありました。
まだ御殿まりのまり本体部分しか作っていないので、もしかしたら房部分にも思ってもみなかったオドロキがあるかもしれません。
とりあえず、早く自分の力だけで御殿まりを作れるようになりたいです。